頭越し合意に怒り=「なぜ強行」社民も反発−沖縄

頭越し合意に怒り=「なぜ強行」社民も反発−沖縄

 米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)移設問題をめぐる日米の合意内容は、キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)に移設する現行計画を大筋で追認するものだ。昨年の衆院選で、鳩山由紀夫首相は「最低でも県外」と訴えていたが、先の沖縄訪問で「県外断念」を表明。しかも、対米合意を優先したことに、沖縄や社民党は怒りを強めている。
 「とんでもない。(受け入れは)厳しい、それしか言えない」。県内移設を決定付ける22日の日米合意内容を知った上原良幸沖縄県副知事は怒りをあらわにした。また同県幹部は、23日に沖縄を再訪する首相に対して「地元の名護市が反対していることや、県民大会の状況を踏まえ、辺野古移設の受け入れは厳しいと伝える」と語った。
 社民党福島瑞穂党首も「なぜ日米合意を強行するのか。ますます問題は解決から遠のく」と強く反発した。
 政府が米国との合意を優先したのは「実際に運用する米軍が受け入れられないものをベースに具体化できるわけがない」(政府高官)という理由からだ。しかし、地元の「頭越し」の合意は決着への道筋を一層複雑にしたと言える。
 首相は今回の合意内容を米側と詰めて文書化し、政府方針として決定。28日にも発表したい考えだが、社民党の連立離脱につながりかねないリスクを伴う。
 また、米側との合意では、代替滑走路の建設位置や具体的な工法などは先送りされた。このため政府内からすら「実際にはとても合意と言える状況ではない」(高官)との声も聞かれた。(2010/05/22-22:28)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010052200371