宮崎の口蹄疫、新たに12農場で疑い 殺処分の豚・牛4万4800頭に

宮崎県は7日未明、家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)に感染した疑いのある豚や牛が同県川南町の12カ所の農場で新たに見つかったと発表した。これらの農場が飼育する計1万907頭を殺処分する。今回の24〜35カ所目を含め、殺処分される豚や牛の総数は4万4892頭となった。
殺処分される家畜の総数の内訳は、豚が4万1791頭、牛が3101頭に達した。家畜防疫員が豚や牛の鼻や口に水疱(すいほう)などの症状を確認。動物衛生研究所の海外病研究施設(東京都)が遺伝子検査を実施した結果、12カ所の農場で豚や牛の陽性反応があった。
宮崎県は5日にも同県えびの市の農場1カ所と川南町の農場3カ所で、口蹄疫に感染した疑いの豚計13頭が見つかったと発表。東国原英夫知事は「想像を絶するような規模になってきた。非常事態を宣言してもいいのではないか」と語った。

まとめ
口蹄疫について
  人には感染しないが牛・豚・羊・ヤギなどに幅広く感染
  感染した家畜は痩せ細り、乳や肉の生産力を失う
  空気感染するため伝染力が非常に高く、早急な対応がなされない場合畜産業に致命的な打撃となる
  感染した家畜・感染の疑いのある家畜は、家畜伝染病予防法より殺処分が義務付けられている

・時系列
  4月20日 宮崎県都農町にて牛への感染が確認される
  4月27日 宮崎県川南町にて豚へ感染の疑い
   同27日 東国原知事が赤松農林水産大臣を訪問、対応を要請
  4月28日 宮崎県えびの市でも感染の疑いのある牛を確認。感染地域の大幅拡大
   同28日 自民党谷垣が現地視察、対応を協議
  4月29日 山田農林水産副大臣東国原知事と意見交換
  4月30日 赤松農林水産大臣、外遊へ。5/8帰国予定
  5月5日 宮崎県えびの市にて豚への感染が確認される

  5月5日時点、殺処分対象は牛3042頭、豚41850頭、計44892頭に(35例)
  (2000年の発生の際は宮崎・北海道合わせて牛740頭が殺処分)

  制限区域 : http://www.pref.miyazaki.lg.jp/parts/000139410.pdf
            http://www.pref.miyazaki.lg.jp/parts/000139466.pdf(5/2追加分)


行でわかる政府の口蹄疫対策
4/20 宮崎県で10年ぶりに口蹄疫感染確認。日本産牛肉輸出全面停止
 政府、口蹄疫の疑似患畜の確認及び口蹄疫防疫対策本部設置
 赤松農水相、宮崎選出の外山いつきから消毒液が足らない報告を受ける
4/21 政府から指示なし、仕方なく現地で対応。消毒薬は現地の組合が用意したが不足
4/22 農水副大臣「現場の状況について今初めて聞いた」
4/25 殺処分の対象が1000頭を突破、過去100年間で最多
4/27 東国原知事赤松農水相や谷垣自民党総裁に支援要請
4/28 国内初の「豚」への感染疑いを確認
 自民党口蹄疫対策本部長の谷垣総裁、現場視察
4/29 農水副大臣が宮崎県出張。現場には入らず生産者への面会もなし。27日に知事が上京した時にした話を再び聞く
4/30 自民党口蹄疫対策本部、政府に42項目の対策要請を申し入れ
 対応を予定していた総理・農水相は当日になってドタキャン。赤松農水相は夕刻に南米へ外遊
 自民党、政府に6日7日の委員会開会を要求。政府は拒否
 民主仕分け組、口蹄疫により被害を受けた畜産農家に融資を行う中央畜産会を仕分け
 移動・搬出制限区域を宮崎・鹿児島・熊本・大分の4県に拡大
 自民党口蹄疫対策本部記者会見
 「10年前の感染の際はただちに100億の予算が確保され対策がなされた」
 「ところがこの段階になっても国から宮崎県には一箱も消毒薬が支給されていない」
 「この状況で農水大臣が外遊するとは自民政権時代からすれば前代未聞」
 「国からは消毒液一箱も届かず。国があたかも配ったように報道されているが、まったくの誤報
5/1 宮崎県、自衛隊災害派遣要請を行う。
 総理、熊本県水俣慰霊式に出席。イグサ農家を視察、サインをせがまれて「い草と畳で友愛」。宮崎はスルー
5/3 17例目確認 殺処分9000頭突破
5/4 19例目確認 殺処分27000頭突破
 総理、普天間問題で沖縄訪問。宮崎はスルー。 舟山農林水産大臣政務官デンマーク出張
5/5 1例目から約70km離れたえびの市で感染確認、感染23例、殺処分34000頭に
5/6 35例目の感染確認、殺処分10000頭増加
 ウイルスが韓国や香港のウイルスと近縁であることを確認
5/7 小沢幹事長、宮崎県訪問。『選挙協力要請』のため東国原知事と会見予定
5/8 赤松農水相帰国予定
5/9 舟山政務官帰国予定


今北産業の人向け。
口蹄疫がどんな物か簡単に解説テンプレ。

口蹄疫ってどんな病気?
 ・偶蹄類の動物(牛、豚、羊、鹿、猪等)やハリネズミ、ゾウなどに感染するウイルス性感染症です。
 ・幼児期に感染した家畜は高確率で死亡します。(子牛の場合成年になる確率1%)
 ・死亡しなかった場合も体重の低下や算出する乳量の減少等により負の価値の家畜となります。
 ・感染力が非常に強く、空気感染をします。
 ・潜伏期間は2〜10日程度と言われています。 最大は21日間と言われています。
 ・口蹄疫ワクチンは存在しますが、有効度が低い上に感染したかどうかの判断が不可能になる為、使用されません。
 ・感染した家畜を治す手立ては基本的に無いため、殺処分されます。
 ・殺処分された家畜は敷地内もしくは近隣に埋められ、その土地は3〜5年間掘り起こせません。
 ・人間には基本的には感染しませんが、キャリアーとして感染拡大の媒体になりえます。
 ・過去大流行した地域では、人間の子供でも口蹄疫感染が疑われる死亡例の記録があります。

口蹄疫が日本で大流行すると、どう困るの?
 ・牛肉・豚肉価格が上昇します。
 ・乳製品価格(牛乳・バター・チーズ・ヨーグルト等)が上昇します。
 ・食肉と乳製品の価格上昇により多くの加工食品の値段が上昇します。
 ・ブランド牛が消滅します。なお、宮崎ブランドで無くても種牛は宮崎にしかいない場合があります。
 ・国内畜産関係者は事実上廃業に追い込まれます。この保障や大量失業による国家財政の圧迫が懸念されます。
 ・畜産加工業者や流通なども肉がなくなるため経済的に大打撃を受けます。
 ・感染拡大を恐れた他国が日本輸出品の輸入禁止措置を取る可能性があります。
 ・感染拡大を恐れた他国が日本人渡航禁止措置を取る可能性があります。
 ・感染拡大を恐れた他国が日本への渡航禁止措置を取る可能性があります。
  (アメリカ・欧州諸国・オーストラリア等、畜産物輸出国家はこの対応を取る可能性が高い)
 ・これらの処置により、日本は経済的に孤立する可能性があります。